ねむい

睡魔と戦うのに忙しいので労働は別な人に任せたい

私、仁藤さんのこと 好き、なのかな

はじめに

この記事は、百合 Advent Calendar 22日目の記事として書かれました。
www.adventar.org

こんにちは、はじめまして。黄色です。
百合 Advent Calendarで書き手の居ない22~24の記事を勝手ながら書かせていただきます。
もともと主催でもないのに宣伝したり複数日書いたりと好き勝手やっていたので、最後まで好き勝手を貫き通す所存です。

さて、今回の記事は『コレクターズ』の感想です。

コレクターズ 1

コレクターズ 1


先日、ようやく購入したので、その衝撃を綴ってみたいと思います。
わざわざ語るまでもない素晴らしい作品ですが、初見時のメモも兼ねて書き残しておきます。

感想


すっげえ……!!!

とにかく、初見の衝撃たるや。
第1編から飛び込んでくる忍と貴子のケンカ話というのが、端的に2人の関係を現していて、『コレクターズ』という作品の空気感が一気に掴めましたね。

そして各編の最終ページに挿入されるモノローグがまたいい、というか非常にいいです。
他のページでケンカのようなやり取りを続けて分かり合えないような素振りを見せつつ、でも本当は…。
と裏ではお互いを想い合う強い絆があることを都度、思い知らせてくれます。


1編1編の衝撃が大きすぎて、1編を読むごとに本を閉じて息を整えるような読み方をしていました。


百合に関係のない所では、忍と貴子のキャラデザが好みだったり、表紙の手触りや全体に施された上品な装丁がとても好みです。
特に、本体表紙と本体裏表紙の赤と黒のツートンがお洒落です。
Kindle化されない理由はこの装丁なんじゃないかと思います。
実物で買って本当に良かった。

装丁に手間を掛けてくれる単行本って読者として嬉しいですよね。

好みの編

No.3.5

最後のページの貴子の独白が全編を通して凄く好きです。
好きな人が選んでくれた物品をずっと覚えてて、それを使い続けるシチュエーションがかなり好きなんですよね。
こうやって想いは何気ない日常の中に溶け込んでいくんだなぁ…と思うと清らかな気持ちになります。

No.5.5

忍の女性関連の話になると態度が変わる貴子が可愛いです。
前のNo.5での不安な様子と相まって胸を締め付けるような想いに駆られますね。
あと、初版の本は大切にしようと思いました。初版に限らず大切にすべきですが。

No.7

"でも私は「忍が気にも留めなかった頃の私」を知っている"という最後のモノローグがいいですよね。
漠然とした不安は本人に直接聞かないと解消されないものだと思うので、それを抱えながら忍に伝えない貴子は芯の強さも兼ね合わせているなと感じました。
それにしても、忍はどうして突然に貴子を個体認識しはじめたのか…。

No.8.5

手袋編。こうやって、忍の興味を惹きつけ続ける貴子がいいですよね。
上記の他編にもあるように、貴子の不安がファッションだったり手袋だったり嫉妬だったりの行動に出ているのがとても情熱的で好きです。
直巳の要求がエスカレートしていく様子は全編通して一番好きなギャグですね。

No.10

貴子過去編。
14歳で経理として働いて、20歳になる頃には実権を握るあたり、貴子はかなりのやり手ですよね。
そして、大学1年時の貴子はバイトの都合で黒髪だったらしいので、それで忍に認識されてなかったんじゃ…。
ラストのモノローグは全編を通して1,2番目に好きですね。
全編に通して描かれている"今の時間が未来の保証にならない不安"がギュッと凝縮された一コマだと思います。

No.11.5

ラストのモノローグ、誰かの目線を憚る必要もないのに、小さな言い訳をして手を繋がる様に情緒があります。
いつもやっている事に少し工夫を加えるだけで、こんなに素敵な行為になるのか…と感じさせてくれます。
おみくじで忍の中吉を取り上げる貴子も可愛い。

No.12.5

ランジェリー編。
貴子の嫉妬や捨てられる恐怖、独占欲に素直なところは好感が持てます。
独占欲に関してはお互い様な所ですが、忍は嫉妬とか恐怖からは無縁というか、モノローグが少なすぎですね。
忍は単純に一緒に居る今が楽しいといった具合なのかも知れません。ベタ惚れだし。

presage

なぁんだ…?
構図は表情も相まって貴子の意識が存分に表現されている部分が好きです。
前半のはしゃぎようからの落差が良いですね。

En premier & Les autres

貴子が自分の気持ちに気づく場面はやはり良いですよね。
あの、つるが伸びていく演出はページを捲るのもゆっくりになってしまうような、じわじわとさせる圧迫感がありました。
そこから告白してキスするまでのテンポの良さは前述の圧迫感からの開放感もありとても魅力的です。
上でも書きましたが、貴子は自分の気持ちにストレートなのが本当に素敵ですよね。

番外編

キャラ紹介の「と、もう1人」の英語訳"the other one"が魔族っぽい語感ですよね。

おわりに

以前から『コレクターズ』の質の高さは聴いていたのですが、予想を遥かに超える面白さでした。
紹介してくださったsh4869さんに感謝!
sh4869.hatenablog.com


明日は、アイカツ!のカップリングについて書きたいと思います。
よろしくお願いします。