ねむい

睡魔と戦うのに忙しいので労働は別な人に任せたい

『やがて君になる』3巻読了

やがて君になる(3) (電撃コミックスNEXT)

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侑の苦しみ

2巻の終わりで燈子先輩から「私の事は好きにも嫌いにもならないで」と言われた侑。
しかし、どんどん距離を縮めてくる燈子先輩に侑の中に"特別な感情"が芽生え始めてきます。
それは、相談した槙くんの目からも侑に隠しきれない感情が生まれつつあることが伺えてしまうほど。
燈子先輩との約束で先輩に"特別"を感じてはならない事から、自分の気持ちを押し殺す侑。
果たして、この我慢はいつまで持つのか…。

"誰も特別に思えない"侑が抱えるジレンマのような悩みが今後、どのように解決されるのか楽しみです。

沙弥香先輩の心境

みんな大好き、沙弥香先輩。
今回も冒頭から侑と燈子先輩の関係に疑いを持つなど油断なく好きの無い沙弥香先輩。
なんと今回は、女性カップルの先輩役であり相談役と出会います。
自分の気持ちを相談し、そしてそれがそれで良いと再認識することができた沙弥香先輩。
今後、燈子先輩にどうアプローチしていくのか。
燈子先輩と侑の間にどう入り込んでいくのか、引き続き目が離せません。

燈子先輩の前では澄まし顔で余裕そうな態度なのに、侑相手だとぶっきらぼうになるのが好きすぎます。


燈子先輩のずるさ

2巻のラストで侑に呪いを掛けた燈子先輩。
そのずるさは留まる事を知らず、一方的に侑を求め続けます。
よって自身の負担の一部(演じること)を侑にも共有する形となり、2人の関係が緩やかに壊れつつあるように感じます。
侑が一瞬、気を許した瞬間に見せた感情を無くした燈子先輩の表情を見るに、まだ燈子先輩にとって侑は手放せない存在ではないように見えます。(あるいは、少なからずショックを受けていた?)
もし侑が負担に耐えかねて燈子先輩を手放す or 燈子先輩に特別な感情を抱いてしまったら…。


4巻からは生徒会劇編に入っていくようですが、劇というものが、2人の感情にどのような影響を与えていくのか不安と期待でドキドキです。


頑張れ堂島くん

やたら出番が多かった堂島くん。
そのひょうきんな態度で女子とのコミュニケーションもバッチリ。
今回、新たに朱里やこよみとも知り合いだった事が判明。今後は2人と生徒会を繋ぐキーマンになること間違い無し。
引き続き頑張って欲しいです。


もっと出番だ槙くん

堂島くんに比べて出番が減ったような気がする槙くん。
でも侑との会話で、侑の中の"寂しさ"に気づけたのは今後、物語に大きな影響を与えてきそうな気がします。
近いうちに侑が学校を休んだり生徒会に来なくなったりするような展開があるかも知れません。

探るこよみ

生徒会劇の脚本を引き受けたこよみは、今回幾度となく燈子先輩の人柄について調べていました。
ひょっとすると、こよみが侑と燈子先輩の関係に気づいたり、燈子先輩の見られたくない部分を知る事になるかも。
そしてそれを劇の脚本に盛り込んだりして。
そんな展開になったらもうしっちゃかめっちゃかになりますが、そんな展開も見てみたい…!

総評

心理描写が秀逸すぎて、心理戦の様相を呈してきました。
侑の気持ち、沙弥香先輩の気持ち、燈子の気持ち。
それぞれ晒している部分と隠している部分があって、全容を把握しているキャラは誰も居ません。
さらに周囲のキャラを巻き込んで、この3人の感情はどう昇華されていくのか。
4巻以降も、キャラの心情を追いかけていけるのが楽しみですね。

沙弥香先輩は、2人の間に入り込む脇役ポジだと思ってましたけど、3巻を読んで3人目の主役だと確信しました。
そして応援したくなってきました。沙弥香先輩にはぜひとも頑張って欲しいです。

大満足な3巻でした。4巻は来年夏らしいので、頑張って生きよう。